お中元とお歳暮は、常識さえ身につければ便利な道具

「形式ばった事はニガ手で」という方でも、世間で生活する身としては、お中元やお歳暮は、日本人の習慣として、なおざりにはできませんよね。
それに、形式や風習には、したがってさえいれば、それ以上の気遣いはいらないという、便利なような、多少ずるいような面があることも確かです。
ある意味で、長い間日本風俗の中で培われてきた、お付き合いの知恵なのでしょう。
常識さえわかれば、けっこう便利なものですよ。

お中元とお歳暮の違いと、品物選び

これには諸説あって、厳密な意味では識者の意見もそれぞれです。
普通にわれわれが使う場合、単に季節の違いといった認識で問題はありません。
金額は余程お世話になった人でない場合、3~5千円が相場です。
さて、何を贈るかですが、先方の好みや事情、状態をあらかじめ知っておくと、選びやすくなるでしょう。
ビールの詰合せを贈った後で、実は相手が体調の関係で禁酒していた、なんて事がわかると、せっかくのご贈答も気まずいものになってしまいます。
避けるべき贈答品には、履物類、筆記用具などがあります。
前者は「踏みつけにする」、後者には「勤め励めよ」の意があるので、通常は贈りません。

お中元とお歳暮を贈る時期はいつ?

お中元を贈るのは、7月1日から15日までの間です。
以前は、西日本では8月初めから中頃までが期間とされていましたが、最近では7月に贈られる事が多くなっていますので、それ程気にする必要はないでしょう。
お歳暮は12月の初旬から25日くらいまで。
正月用の生鮮品は30日あたりでも大丈夫です。
どちらも大切なのは、その頃発送したり持参したりするのではなく、その頃届くように贈るということです。
もし手続きが遅れてしまった時には、立秋前なら「暑中御伺」、その後なら「残暑御伺」とします。
お歳暮の場合は「お年賀」ですね。

お中元とお歳暮は喪中と関係あるの?

お中元とお歳暮は、あくまでも日頃の感謝のしるしです。
たとえ先方が喪中でも、お祝いではないので、贈っても問題はありません。
けれども、まだあまり時間が過ぎていない時は、やはり遠慮した方が無難でしょう。
時期を外して暑中御伺にする、上書きを無地にするなど、いくつか方法もありますが、そこまでするかどうかは、ご本人の判断次第です。
お歳暮だと当然「お年賀」はNGで、「寒中御伺」か「寒中御見舞」となります。
しょせん虚礼と冷めた目で見ず、使える機会はフル活用して、より良い関係づくりに役立てましょう。

お中元とお歳暮のマナーを覚えて、お付き合いで楽をしよう